出会い系サイトの彼女。【完】

末路 /終わりのはじまり

「あち」

卵を加えたカップ麺を持って居間に戻ると、布団がないこたつ机の上にそれを置いた。


テレビをつける。

よくわからない政治家が、夜通し討論している番組をやっていた。



……今頃、裕さんはなっちゃんをバラしてるのかな。


言葉にすると、あまりにも薄っぺらくて、リアリティがない。



……なっちゃんが悪いのよ。



蛇が鎌首をもたげるように、黒い気持ちがあたしの心の底にぬるりと沸きあがった。


……ああ、もうイライラする。

考えるのはよそう。



カップ麺の上に乗せる重しにしようと、畳に転がったままの雑誌を取った。


そのとき。

ばらばらとページがめくれて、折り目のついた部分が見えた。



 
『運命の恋をはじめよう♪』



――――あれ?


思わず動きが止まる。

あたしは、その懐かしい広告に目を奪われた。


間違いない。


それは去年の四月頃、あたしが気まぐれで始めた出会い系サイトの広告だった。


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