その手が離せなくて 【完】 

第2章 /罪



「ん~~~っ」


青空の下、大きく背伸びをして空を仰ぐ。

視線の先には満開の桜。

私の一番好きな季節になった。


「満開だ」


ポカポカと温かい陽射しを受けて、無意識に頬が緩む。

過ぎ去っていく人々も、満開の桜を見て足を止めていた。

昼時という事もあって、オフィス街のここは財布片手に沢山の人達で溢れ返っていた。

そんな人達を見ながら、サンドイッチを頬張っていると。


「あ」


不意に携帯が鳴って、視線をそちらに向ける。

すると、画面に映し出された名前を見て一気に笑顔が零れた。


『満開』


メールの画面を開くと、その言葉と共に綺麗な桜の画像が添付されていた。

きっと外回りの最中なんだろう。


ふふっと小さく笑って、私も目の前に見える桜を撮る。

そして、同じ様に『満開』と添えて画像を送った。

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