太陽の【完】

作者らい

「面倒くせぇ。女と出掛けんのすら面倒くせぇし、メシ行ってホテル直行だな。」
それなのに、何故あたしを連れ出してくれるんですか?






自分の足先を見て、思わず顔を上げる。

そういえばあたしは高いところが苦手だったな。






体を翻して目にしたものは、錆びれた赤褐色のドア。

鍵は壊れてるし、落書きだらけだし、錆びすぎて腐ったのかボロボロだし。超お似合いじゃん、あたしに。






フッ、と後ろへ頭を擡げれば込み上げてくる独特の浮遊感と頭が真っ白になる感覚。






最後に見たのは、雲ひとつない真っ青な空だった。

一瞬だけど、鳥になれた気がした。