天帝の姫 上 【完】修正中

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車は繁華街の外れの一軒の可愛らしいお店の前に停止した。






「降りるぞ。」



煌哉の低い声。




「う・・・うん。」


頷いて車から降りようとしてドアノブに手をかけたとたんに、グイッと引かれるドア。




「わぁ!」


前のめりに倒れそうになって、後ろから伸びてきた手に助けられた。




腰の周りに回った筋肉質な腕と、



「危ねぇな。」


耳元で聞こえた低い声。






ドキッと胸が高鳴ったの気付かないふりする。




赤らむ顔を俯けて、煌哉の腕から伝わる熱を冷まそうと試みる。




だって私は人を好きになっちゃいけないんだから。




幸せになんてなれない。





私は両親を死に追いやった張本人。





頭の中でもう一人の私の声がした。




その瞬間に冷めていく熱。



ああ、私に心なんて要らないんだ。







「危なかったぁ。助けてくれてありがとう。」


振り向くことも出来ないままそう言えば、




「いや、気を付けろよ。」


そう言って腕から解放してくれた。



「恭弥、気を付けろ。」


煌哉の不機嫌な声が車外に向かう。



「ああ、悪かった。姫、ごめんね?怪我してない?」



開いたドアから恭弥が車内を覗き込んだ。





「あ、うん。大丈夫。煌哉が支えてくれたから。」



頷いてニコッと笑った。




「そう?ならいいけど。はい、どうぞ。」



出やすいようにドアを開いてくれる恭弥。





煌哉が反対側のドアから出る音を聞いて、私も車から足を出した。



「ありがと、恭弥。」


「いいえ、お姫さま。」


執事みたいにお辞儀してくれた。






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