天帝の姫 上 【完】修正中

Impulse 衝動 /恭弥ポイント







「いや、お待たせお待たせ。可愛い子二人の番号ゲット出来てよかったよ。」



なんて戯けて助手席に乗り込めば、




「悪用したら殺す。」


後部座席から恐ろしい言葉が飛んで来る。




「そんな事しないよ。」


と言いながら振り向けば、笑っていない瞳で微笑する姫。




殺気を含んだそれに一瞬背筋がゾッとした。






「ならいいけど。」


一瞬で消える姫の殺気。




姫が意識してそれをやってのけてるのは一目瞭然。





末恐ろしいと思った。





女の子で殺気を出し入れ出来る子なんて、そうざらにいる訳じゃない。






そこは流石、堀北薫の妹と言った所だろうか?






煌哉も俺と同じ事を考えていたのか、視線が合った途端にニヤリと口角を上げた。




こいつが気に入るだけはあるって事だろうな?








動き出した車、目的地はまだない。




さてさて、CLUB行きを断られたし、どこに向かうつもりだ、煌哉。







「行きてぇとこマジでねぇのか?お前の好きな所に連れてく。」


煌哉が姫を見る。





「ない。」


即答だな?



西條煌哉にここまで言わせて行く所がない姫は強者だね。




「繁華街で買い物でもするか?」


「嫌よ。煌哉達と一緒だと目立つから疲れるのも。」


確かに目立つけど。




煌哉は苦虫を噛み潰した様な顔をして思案する。




こいつのこんな姿なんて滅多にお目にかかれない。



ホント、姫と居る煌哉は人間らしくていいよ。






「俺んち来るか?」


はっ?煌哉、いきなりは不味いでしょ?


それは鈍感な姫でも警戒するよ。




「寝てもいいなら、行ってもいいけど。出来れば家に帰りたいけどね?」


ひ・・・姫ちゃん、自分の吐いた言葉の意味を分かってるのかな?




焦ってる俺と目が合った姫は興味なさ気に窓の方へと顔を向けた。





うん、わかってないね。






「マンションだ。」


運転席にそう告げて、腕組みをして目を瞑った煌哉。





二人とも自由人過ぎるだろ?




一人焦る俺。





諦めて座りなおすと、正面を向いて溜め息をついた。




煌哉と姫の意志疎通は絶対に出来てないと断言出来る。





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