天帝の姫 上 【完】修正中

Puzzle 困惑 /薫ポイント






壁片手を付いてローファーを履く都姫の背後で学生鞄を手にそれを見守る。



いつもの朝の、いつもの玄関での出来事。



両親が居なくなってから、俺が欠かさずに毎日やってる事。




母さんが居た時は、これは母さんの役目だった。




出来なくなってしまった時から俺がそれを引き継いだ。




そんなに仕事が遅くなって帰りが明け方になろうと、これを一日も欠かした事は無い。



他人から見ればくだらない事かも知れないけど、俺達兄妹にとっては互いの存在を認める為の好意なんだ。




両方の靴を履いて、踵をトントンとして都姫が振り返る。




綺麗な髪がさらりと揺れる。



ホント、艶やかで綺麗な髪だと思う。



我が妹ながら、綺麗で可愛い。



あ・・・・シスコン!とか今思った人!


都姫が可愛すぎるのがいけないんですよ!

分かってください。





「・・・か・・薫!何を放心してんのよ?」


不機嫌な都姫の声に我に返った。



「ア・・・あらごめんなさい。はい、鞄。」


慌てて持っていた鞄を差し出せば、



「ありがと。」


と言いながらも、怪訝そうに眉を潜めて俺を見る都姫と目が合った。




「な・・・なぁに?」


嫌な汗が額に噴き出る。



都姫を可愛いなんてシスコンっぷりと発揮していたなんて知られたら、蔑んだ視線を向けられるに違いない。


なんたって、都姫はツンデレ王女だもんな?



朝からあの視線に耐えうる自信はねぇ。


さすがの俺もテンションが駄々下がりになる。






「・・・あ・・・あんまり無理しないでよね?仕事が忙しいなら、朝だって手抜きしてくれていい体調を壊すぐらいならね?それに・・・体調が悪いなら、悪いっていいなさいよ。」


少しバツが悪そうに目を伏せながらぶっきらぼうにそう言った都姫は、やっぱり可愛すぎるだろ?





うぉ~ツンデレ最高!



都姫が俺を心配してくれてるって事が、やたらと嬉しいじゃねぇか。





「・・・フフフ、ありがとう。心配には及ばないわよ。少し寝不足なの。今からたっぷりと睡眠をとるから心配はいらないわ。」

心配させてごめんな?




兄ちゃん、都姫がいれば元気百倍だ。







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