天帝の姫 上 【完】修正中

Puzzle 困惑 /煌哉ポイント






オーシャンのVIPルーム。



相変わらず俺達の周りには女が取り巻いてる。




なのに、まったく楽しくねぇ。





ここに都姫が居てくれたら?なんて思いながら煙草に火を着けた。




腕に絡み付く女の手に、今まで感じた欲情も生まれない。




疎ましいとさえ思う俺は何か欠落してるのかとさえ思う。






「離せ!」


殺気をまとって静かにそう言い放てば、



「ヒィィ・・て、天帝様、どうなさったのですか?」


と青ざめて慌てて手を離したケバい女は戸惑いを隠せない。






今まで遊びの対象で、食い散らかしてきたって言うのに、今はこいつを見ても何も感じない。






ムシャクシャする気持ちに戸惑う。





最近の俺はおかしい。





都姫と付き合ってる訳でもねぇから、操を立てる義理もねぇってのに、他の女に触れたいと思えねぇ。




あ~ぁ、なんだこれ?






「出てけ。・・・酒だ。」


女に冷たく言い放ち、そう呟いた俺に反応したのは、



「出ていくついでにボーイを呼んできてよ?」


と、女達を一瞥した恵。




そのあっけらかんとした物言いに戸惑いながらも部屋に居た数人の女は出ていった。






「どうしたの?最近。ここに居ても楽しそうじゃないね?」


クイッと眼鏡を押し上げて意地悪そうな微笑みを浮かべる恭弥。




分かってる癖に面白がって聞いてくんな。




「うぜぇ・・・。」


そう言い放ち銜えていた煙草を灰皿に押し付けると恭弥を睨み付けた。





「冗談冗談。姫がここ来てくれたら楽しくなるのにねぇ。」


参ったとばかりに両手をヒラヒラさせながらそう言った恭弥。




「でも、どうしてあんなに嫌がるだろうな?」


恵が不思議そうな顔をして首を傾げた。





「アンダーグラウンドに足を踏み入れるのは、普通の生活をしてる子には覚悟がいるしねぇ。それに彼女は面倒臭がりだから、余計な事には捲き込まれたくないんだと思うよ?」



恭弥の分析はほぼ合ってるだろう。




都姫は、俺達を取り巻いてる環境を好ましく思ってねぇ。




やたらと目立つのも、それによって向けられる様々な視線も、都姫にとっては面倒事に他ならない。







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