天帝の姫 上 【完】修正中
Confusion 混乱 /恭弥ポイント
「チッ・・・颯真の奴うぜぇ。」
唸るような低い声と同時に聞こえてくるのは、ガシャンと何かの割れる音。
俺は音の元に目を向ける。
煌哉が投げた椅子が命中して、割れた窓ガラスの残骸が無惨に散らばる。
押さえる事のない殺気を体から放ってるうちの天帝様を見て、報告をしたのは失敗だと溜め息をつく。
もう少しオブラートに包んで報告した方が良かっただろうか?
今更ながらに少し後悔する。
苛立って落ち着かないように煙草をふかす煌哉を見て、溜め息を漏らした。
煌哉がこうなったのは10分前に伊沢から来た報告をそのまま伝えたからだ。
伊沢と大黒には、姫の護衛として市川西校へ潜り込んで貰った。
交流会なんて、まったく余計な催しを考えてくれたもんだよ。
おかげで、うちはいい迷惑を被ってる。
ほんと、伊沢達を潜り込ませて正解だったよ。
まさか、姫達のグループと皇帝達のグループが合同になるなんて・・・。
運が悪いと言うか、なんと言うか。
その上、変装してる姫を皇帝が気に入ったって言うんだからね?
ほんと、不運を笑うしかない。
伊沢から貰った交流会の報告を煌哉にしたとたんに、この様だ。
ピリピリとした空気が肌に刺さりそうだよ。
まさか、煌哉がここまで憤慨するとは予想外だった。
いつも冷静で、何事にも冷めてる男が、姫の事でこうも取り乱すとは・・・。
まぁ、人間らしくていいとは思うけどね?
ただ、クラスの連中が完全にヒビッてるのが不憫に思える。
ちなみに、今は5時間目の授業中。
教壇に立つ教師は、明らかに目を泳がせて見て見ぬふりを貫いてる。
あらすじ
目次
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総合ランキング29位獲得!(2015年01月)
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