彼女が辿り着いた街には帝王が居た。
彼の深い漆黒の瞳で捉えられたら最後、この街からは抜け出せない。
お前が欲しいと望まれたなら、その身を喜んで差し出すが良い。



Raven Emperor




漆黒の帝王(Raven Emperor)彼はそう呼ばれていた。


何も知らずに迷い込んだ彼の支配地。



星の数程ある出会いの中で、私は彼に出会った。



運命か?必然か?



冷たく凍り付かせる瞳。


抑揚のないハスキーな声。


感情を持たない表情。



全てに魅入られた。




私に触れる彼の冷たい指先に、私の体は熱くなる。



囚われたら最後、もう逃げられない。