Bloody wolf(完結)

取り巻く様々な世界 /見えない優しさ

体育祭も終わり、雨の日が続いていた。

溜まり場に行く日は相変わらず減らないけど、早めに帰るようにしていた。

睡眠不足はお肌の敵だもの。


体育祭の私のパフォーマンスが相当な効果をもたらしたのか、無駄な呼び出しもあからさまな苛めもない。

最初の頃は可愛らしい悪戯程度の物はあったが、相手にしなかったら無くなった。

悪戯に飄々としてる私を見て、戦意を失ったとみてる。

それに中平君や戸田君が目を光らせてくれてる事も要因だろう。


バカじゃなければ、敵に回していい人間とそうじゃないと、人間の区別はつくものね。

平和な学校生活に満足してる。


ただ、体育祭が終わってから空手部の主将を始めとする部員達がやたらとまとわりついてくる。

入部を進め、師匠と呼ぶ。

マジで勘弁だ。


もちろん取り合うことなく上手くかわしているけど、そろそろウザい。



「篠宮さん、お疲れさまです」

空手部の主将が下駄箱で待ち構えてた。


「・・・・・」

無視して上靴に履き替える。


「また、響ちゃんにまとわりついてんのかよ」

シッシと主将を追い立てるのは戸田君。

「うちの総長の怒りを買う前に止めとけって」

中平君が呆れ顔で言う。


2人ともいつのまに来たんだろう。

そう思いながらも、2人に主将を任せて歩き出す。


「後よろしくね」

ひらりと後ろ手に手を振った。


「任せとけぇ~響ちゃん」

戸田君の声がした。

2人にはお世話になってるから、今度差し入れでもしようかな。


廊下を進むと、生徒達が道を開けてくれる。

歩きやすくて良いけど、ちょっとあからさまに避けられ過ぎだな。


体育祭以来、腫れ物の様に扱われてるのは否めない。

まぁ、その分煩わしさはないけど。



教室に入ると一斉に視線が集まる。

でも、その視線は直ぐに遠慮がちに逸らされていく。


別に目が合ったからって、蹴りを入れたりしないのにね。

クスッと笑って席に向かう。


「おはよう、篠宮」

及川君は相変わらず犬みたいに駆け寄ってくる。

「・・・おはよ」

「今日も注目の的だな」

「迷惑な話よ」

素っ気なく返して、自分の席に座った。


そういえば、体育祭が終わった後、及川君からウルフの事でかなり問い詰められた。

相手するのが面倒になって、「私のプライベートに踏み込むな」と一喝したら、それからはウルフについて聞かなくなった。


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