Bloody wolf(完結)

悪意が動き出す /過去の清算





ー晴成sideー


その一報が入ったのは、学校帰り。


響につけたはずの護衛からのモノだった。

連絡をいち早くうけた秋道は険しい顔で俺に言った。


響が拉致されたと。

怒りに任せて車の窓ガラスに拳を打ち付けたの仕方ないことだ。


響の護衛をしていた連中が、直ぐ側であった乱闘騒ぎに巻き込まれて、その間に響が拉致されたと言うなんとも間抜けな話を聞かされたからだ。



「くそが! 響の行方を早く探しだせ」

怒りに任せて怒鳴り付けた。


「早急に探し出します」

秋道の声も強張っていた。


奥歯をキリリと噛み締めて、窓の外を睨み付ける。

あれほど強い響が拐われたって事は何かあったはずだ。

心配で仕方ねぇ気持ちが、妙な焦りを沸き起こす。


あいつに何かあったら・・・俺はたぶん一生自分を許せなくなる。


「・・・響、頼む、無事でいてくれ」

漏れでた声は弱いものだった。









車が溜まり場に到着してすぐに飛び出した。

響が拐われた事を知ったウルフのメンバーは、あからさまに殺気だっている。


こいつらにとっても響は大切な存在なのだと感じた。


開け放たれたシャッターから、中へと踏み込めば数人の男が焦った顔で駆け寄ってきた。



「総長、すみませんでした」

「俺たちが、目を離してしまったせいです」

土下座する勢いで、体をさば折りにして頭を下げた連中の胸ぐらを掴んで、一人ずつ殴り飛ばす。


「てめぇらの謝罪は今じゃねぇだろうが! 響の捜索に加わりやがれ」

溜まり場で落ち込んでる暇はねぇ。

「「「はい」」」

勢いよく飛び出していったメンバーの顔には、俺に殴られた後がありありと残る。

それを戒めに、響をなんとしても見つけてきやがれ。


「響を早く見つけろ!」

溜まり場にいたメンバーに聞こえるように怒鳴り付ける。

みんなが真剣な顔で頷き、行動に移していく。


響を見つけるために、ウルフの力を総動員する。

早く見つけねぇと、酷い目にあってるかも知れねぇ。


響・・・頼む、無事でいてくれ。


「秋道、俺も出る」

こんな場所でモヤモヤしてても始まらねぇ。

バイクで俺も探しにいく。


「待ってください。晴成はここで待機を」

「ああ"?」

秋道の胸ぐらを掴んで顔を近付けた。

体から漏れる殺気が止まらねぇ。



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