Bloody wolf(完結)

全てを手繰り寄せる /自分勝手な言い分






溜まり場には緊張感が漂っている。

固い表情のウルフのメンバーが戦闘準備を整えて、晴成の号令を今か! と待っていた。


バイクや車のエンジン音そこかしこで響いてる。

いつものほのぼのとした感じはどこにも見当たらない。


メンバーの顔はキリリと引き締まり、決意が現れているようだった。



今日、私達は鬼神の本拠地へと乗り込む。

総勢200名を越えたメンバーがここに集結している。


今日の奇襲攻撃は、強制参加じゃない。

理由を話した上で、一緒に戦ってくれるメンバーを募ったんだ。


鬼神が私を狙わなければ、本当はこんな戦いなんてしなくて良かった。

無駄な血を流すことになったのは、私の責任。


だからこそ、メンバーの意思に任せた。

それなのに、ここには誰一人欠けることなく集まってくれた。

仲間を守るために立ち上がることに迷いはないと。


チームウルフに入ったこと、本当に良かったと思う。

仲間思いの凄くいいチームだもの。


特効服に身を包んだメンバーをゆっくりと見渡す。

私と目が合うと、思い思いに手をあげてくれたり笑いかけてくれたりする。

だから、私も軽く手を上げる。


この場所が好きだ。

ここに、こんな風に居ることが出来る自分自身も。


もう、私なんてって言わない。

自分を守ることがみんなを守ることだって分かったから。



「響、お前の居場所はここだ」

いつのまにか後ろにやって来た晴成が私の肩を掴んだ。


「ん」

自信を持って言えるよ。

私の居場所はここだって。


「鬼神をぶっ潰して、みんなでここに戻るぞ」

晴成の強い言葉に、

「当たり前」

と振り向いた。


「いい顔になった。もう自分なんて要らねぇと思ってねぇな」

ゆるりと口角を上げた晴成。

「ん。晴成達が教えてくれたもの」

誰一人も欠けちゃいけないって事。


「フッ・・・ならいい」

嬉しそうに笑った晴成が距離を縮めた。


えっ? と戸惑った瞬間に額に唇が押し当てられた。

なっ、なっ・・・なにしてんのよ。


「今はこれで我慢しといてやる」

私の額から唇を離した晴成は俺様発言をした。


触れられた箇所が熱を持つ。

恥ずかしさと、照れ臭さと、戸惑いがぐるぐると頭の中でかき混ぜられる。



ヒューヒューと囃し立てる声に、正面を向いた私の目に写ったのは、笑顔で私達を見守る大勢のメンバー。




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