Bloody wolf(完結)

気持ちに気付く時 /真夏の海水浴









「いやっほぉ~い!」

だなんて叫びながら、バナナボートを片手に砂浜をかけていく瑠偉に、呆れ顔を向ける。


「瑠偉、脱いだ服どーすんのぉ~」

と叫んでるのは光希。


「あいつ、テンション上がりすぎだろ」

そう言って冷めた視線で一別したのは晴成。

「瑠偉の奴、家から水着来てきたらしい」

アホだ、と左右に首を振ったのは豪。


「あれは放っておいていいです。俺達は中に入りましょう」

冷静にそう言った秋道にみんなで頷いた。


夏休みに入り、計画してたチームウルフの旅行にやって来た。

車で三時間ほど走った場所に、晴成の家の別荘は建っていた。


朝っぱらからテンションの高かった瑠偉は、ここに到着した途端にバイクを乗り捨てるように降りて、先乗りしていたメンバーが膨らませてくれていたバナナボートを手に走っていったと言うわけだ。


「どれだけ楽しみにしてたのよ」

もう一度瑠偉が走っていった方向を振り返って溜め息をついた。

子供過ぎる・・・・・いや、今時小学生の子供でさえ、ああはならないのかも知れない。


「あれが瑠偉だからねぇ」

瑠偉の脱ぎ捨てたTシャツと靴を拾い上げながら、ニッコリ笑った光希。


「いやいや、それにしてもさ」

ザバザバと海に入っていってる瑠偉に肩を竦めた。


「響、炎天下に突っ立ってたら倒れるぞ」

晴成が私の手を引いて歩き出した。


「あ、うん」

それはそうだと歩き出す。


空を見上げれば雲一つない晴天で、眩しい太陽がギラギラと地上を焼いていた。


あつっ・・・こんな所にいたら干からびちゃうわ。

一先ず中に入らなきゃ。


晴成の家の別荘はかなり大きくて立派な建物だ。

白い洋館は西洋を思わせるような概観なっていて、いくつもある窓を見れば部屋数が多いのが分かる。

背の高い塀にぐるりを囲まれ、広い敷地内に何台もバイクや車が停まっていても狭くは感じない。


随分と豪華な別荘ね。


晴成に手を引かれながら、周囲を見渡す。

塀の外は林になってるらしく木々が繁っていた。


「そこ、段差あるぞ」

晴成に言われて、いつのまにか玄関ポーチまで来ていたことに気付く。

「あ、うん。凄いところね」

「そうか。普通じゃねぇか?」

「いやいや、普通じゃないわよ」

これだから、お坊っちゃんは困る。


「お前、今、ろくでもねぇこと考えたろ?」

晴成が私を睨む。

「べ、別に」

私の心を見透かしてた晴成に気付かれないようにそっけなく返した。









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