Bloody wolf(完結)

最終章 /やっぱり最強女子









文化祭も終わり、平穏な日々が帰ってきた。

そう言いながらも、別の意味で最近は忙しい。

私を監視する目が多くなったのは、彼女が動き出したせいだろう。

もちろん、わざわざ敵に隙を見せるような事はしてない。

一人には決してならないし、私の周囲には守りが常にある。


文化祭での事が森永の娘の耳に入ったのかどうかは知らないけど、彼女が焦ってることだけは間違いないだろうね。

面倒臭いと、思いつつも迎え撃つ準備はいつも整えてる。

常に臨戦態勢にある私を見て、雷牙君が苦笑いをするのが最近の光景だ。



「後ろに5人、前に3人。本当、最近目障りで仕方ねぇな」

こちらの隙を伺う連中に雷牙君が溜め息をつく。


「相手もそれだけ本気になったって事よね」

「ああ。一気にやっちまうか?」

「ううん。向こうから来ないなら、まだ手出しはしないよ。後だしじゃん拳の方が勝てるからね」

隣を歩く雷牙君を見上げてニヤリと口角を上げる。


「まったくお嬢は腹に逸物抱えてるよな」

おどけたように言うと雷牙君は肩を揺らして笑う。

「それって、私が腹黒いって意味?」

悪戯に目を細めて雷牙君を一瞥する。


「腹黒くなきゃ、俺達の世界じゃ生きてけねぇよ」

後頭部に両手を当ててニシシと笑った雷牙君は、私達を警護する人達に軽い目配せをした。

頷いた護衛の人達は、私達との距離を狭めるように移動する。

敵が動き出したら直ぐに対処できるようにだろう。


森永の娘が放った連中が、簡単に私に近付けないのは雷牙君を含めた護衛が彼らを威嚇しているから。

安易に屈強な彼らを無視して強行突破してくるほど、腹の座った連中は居ない。

だからこそ、こうやって買い出しに出ても問題ない。


車を使わずに徒歩で移動してるのは、彼女の放った刺客のレベルを見るためでもある。

相手の力量を測っておくのも、後だしじゃん拳の為。


私からは手を出さないけど、向こうから来たら、その時は容赦しない。

晴成が自分で方をつけるって言ってる間は、大人しくしておこうと決めたからね。


まぁ、とは言え、向こうの連中がどこまで我慢できるかよね。

痺れを切らして、打ち込んでくるのは、近いんじゃないかと実は感じてる。

そうなれば、私だって黙ってやられるつもりはない。


自分にかかった火の粉は、きっちりと払い落とす心積もりはしてる。







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