狂愛【完結】

「じゃあさ、暫く、ゆいかちゃんと一緒にいてもいい?」


「あ゛?」「へ?」


奏の低い声と、ゆいかちゃんの気の抜けた声が響いた。


俺は苦痛に顔を歪ませる。


「・・・6月2日、雅人の命日なんだ。
だからせめて命日までの2日間、一緒にいて?」


そう懇願する俺に、ゆいかちゃんは奏を見上げた。



奏は眉間に皺を寄せて暫く考えると、口を開いた。



「・・・大学の警備をお前がやれ。しかし夜は本家に泊まれ。」



「・・・分かった。」



流石に俺もここに泊まるつもりはなかったけど、俺が暴走しないように本家に泊まらせてくれるらしい。



「・・・一日でもゆいかを抱かなかったら、体の調子が悪いからな。」



自分とこに泊まる自体はどうでもいいわけね・・・


「奏くん、変なこと言わないで?」


ゆいかちゃんが呆れた様に言う。


「・・・やべぇ。」


ゆいかちゃんの゛くん゛付けに若干興奮したらしき奏を、ゆいかちゃんが極寒の眼差しで見ている。


ラブラブなとこ悪いけど、気になっていたことがある。


「・・・香坂咲は、暫く現れないよね?」


自然と低くなる声で吐き捨てた。


ゆいかちゃんは眉を潜めながらも答える。


「うん。お姉さんのこととかもあるから1週間は来れないみたいだよ?」


「・・・そっか。」


なんとか会わずに済みそうだと、笑みがコボレた。

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