狂愛【完結】

波乱の大学生活 /ミスキャンパス


夏休みは、語ることもない。


いや、大学がある時より幸せだったかな。


奏と会社に行って、仕事して。


夕飯を食べて、家で奏を待つ。


正式に妻になって変わったことは、本家に行く回数が増えたこと、かな。


しきたりや決まり事が多い極道の世界。


作法なんかを美里ちゃんに習うため。


だから、奏が事務所にいる間、たまに本家で教えて貰っている。


「チッ!」


迎えに来た奏が毎回組員さんたちに舌打ちして睨みつけるのには、困るけど、ね。


どうやら自分のいないところで組員さんたちと仲良くなるのが嫌らしい。


毎回顔を真っ青にする組員さんたちには申し訳ないけど、奏の妻として、学びたいことはたくさんあるから、申し訳ないなと思いながらも通い続ける私。


咲や、真琴とは、何回か遊びに行った。


あ、咲は敬語が抜けないけど、呼び名くらいはと、お互いに呼び捨てにしあうことになったんだ。


そして夏休みも開けた9月、大学内は学園祭の季節を迎え、浮き足立っていた。


うちの大学の学園祭は10月の頭。


私はサークルなんかも入ってないし、関係はないんだけど・・・


出店は楽しみ。


そしてうちの大学の目玉は、ミスキャンパスらしい。


大学内での事前投票の結果、上位3人が選ばれ、当日一般のお客さんに選ばれた人がミスキャンパスになる。


ミスキャンパスを取ることは、この大学の女生徒にとって最大級の栄光らしく、投票日の9月30日に向けて、壮絶なる【売り込み】合戦が繰り広げられる。


下らないな~、なんて、目の前で熱弁を奮う弘人を眺めながらコーヒーを含む。


だけどそのミスコンに、巻き込まれることになるなんてこの時の私は知らない。

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