狂愛【完結】

波乱の大学生活 /歴代ミスたちの行方


「ゆいかさんっ、おめでとうございます!」


「ん。ありがと。」


咲とゆいかの会話を横目に、弘人さんに小声で話しかける。


「あの女たち、どうなりましたか?」


「ん~?なぁんにもしてないよ?直接は。」


弘人さんの深い笑みに、俺の顔も引き締まる。


「直接は?じゃあ『間接的』には?」


俺の質問に、弘人さんは目を細めた。


「じんわり、じんわり、彼女たちは落ちていくんだ。学園祭はもうすぐだろ?楽しく準備しなくちゃ?」


そう言った弘人さんは、遠足前の子供の様に、無邪気に笑う。


「彼女たちは一般人だ。新城はおろか、白虎だって動けない。
あの子たちがゆいかちゃんにしたことの証拠もないしね?」


そのことに苛立ちを感じながらも、深く同意する。


「はい。証拠も揃ってなおかつ俺たちが手を出してもしょうがないほどの事でもないと、一般人には手を出せませんから。」


だから飯倉香奈もチェンメ程度で済んだんだ。


まぁ、そのせいで彼女の人生は、転落の一途を辿ったらしいが。


「そうだよね?だから、俺が出て行くの。俺、【一般人】だし?」


クスリと笑う弘人さんを白い目で見る。


(完全に裏の世界の人のくせに・・・)


ゆいかの前では甘える弟の様な無邪気な弘人さんは、裏の世界じゃその面影もない。


どうやらあの女たちは学園祭に向けてじっくりと料理されるようだった。

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