狂愛【完結】

蓮の引退 /倉庫

side 蓮


兄貴の出現で、会場中の非難の目が瀬戸まひるに注がれた。


3位の三谷結衣はあまりの悔しさに泣き出してしまい、壇上から走り去る。


咲は2位なのに、なぜかコメントを求められ、


「あ、ありがとうごじゃぃ、イタッ!」


緊張の余り舌を噛んで、雅人が慌てて助けに行っていた。


平和とは言えない学園祭が終わり、ゆいかが安定期に入った頃、俺の引退の日がやってきた。


最近は大規模な暴走の準備で、ゆいかに会えなかった。


かれこれ2週間は会っていないだろうか。


氷上も佐竹も白石も準備に追われ、ゆいかの護衛は弘人さんがやっていた。



(ゆいかに会いてえな・・・。)



総長のイスに腰を落ち着かせ、兄貴と同様に禁煙している俺は、何をするでもなく、静かな部屋を見ていた。


階下が騒がしい。


白虎総出で、暴走と宴会の準備をしているからだ。


兄貴たち先代がもうすぐ来る時間だ。


総長の証の、白い特攻服の胸の部分を握りしめる。


「これも、着納め、だな。」


俺の胸には、強い決意。


これからは、ゆいかのためだけに生きる。


自分の人生をかけることには、なんの躊躇いもねえ。


これは俺自身が決めたこと。


大事な後輩に、白虎を託す。


「もしかしたら、兄貴のチビが継ぐかもしんねえな。」


あり得る未来に笑みが漏れた。


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