狂愛【完結】

東対西 /敵の正体

side ゆいか


私の胸に顔を埋める秋の体温を感じて、ようやく安心した。


あとは・・・鉄さんが。


「ママ?だいじょぶ?」


秋の心配そうな声に我に返る。


「ん?うん。大丈夫。」


そう言うと、秋の両肩を掴んで目を合わせた。


奏と同じ、漆黒の切れ長の幼い目に、私が写っている。


私の表情は強ばっていて、不安でいっぱいだった。


こんなんじゃ、親失格だなぁ。


秋に心配させるなんて。


ため息を吐いた私の頭を、大きな手と小さな手が同時に撫でた。


「ゆいか、大丈夫だ。」


「ママ?秋がいる。」


奏と秋がそう言って、ふんわりと微笑む。


奏のぬくもりに包まれて、秋の小さな手を握って、私は秋をしっかりと見た。


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