狂愛【完結】

東対西 /攻防

side ゆいか


何故か顔がトマトな白石君が、持っていた水を一気飲みしたところで、隼人たちが布団を持ってきてくれた。


鉄さんが助かるまで、誰も寝ようとはしなかったけど、皆安心したように床についた。


何故かこの場にいない弘人が気になってたけど、それは寝室のドアを開けた瞬間、解決された。


秋を抱きしめるように眠る弘人は、薄く笑っていて。


とても幸せそうな弘人を奏が蹴ってしまいそうだったから、それを止めて私たちもリビングでみんなと寝ることにした。


奏が半径2メートルに入るなと威嚇するから、何故か私たちだけ凄く離れてしまったけど。


いつものキングサイズのベッドじゃなくて、シングルの布団で寝るのは、窮屈だけど、嬉しかった。


奏の腕の中で、小さく体を丸めあって寝るのは、より奏を感じられるから。


身長が高い奏には凄く狭そうだったけど、


「毎日はキツいけど、たまにこれで寝たいな。」


そう言った私にピンクなスイッチが入った奏は、布団で隠して濃厚なキスをくれた。


「こうやって隠すのがまたいいだろ?」


・・・どうやらプレイの一環らしい。


普段【羞恥】の欠片もない奏の゛隠す゛という行為は、なんだか新鮮で。


高校時代に修学旅行でする自分たちを妄想してしまって、思わず笑みが漏れた。


「・・・ゆいか?」


学ランの奏・・・


「・・・ゆいか。」


ブレザーもいいな。


「おい。」


その前に白い特攻服見たい。


「・・・はぁ」


ふてくされて寝てしまった奏に気付いた頃には、私の妄想は医者にまで発展していた。


でも、よかったのかもしれない。


私は今日は、眠れない。


これから最前線で戦う奏を、今日は眠らせてあげたかった。


私が寝ないと奏も寝ないから。


自分の妄想癖に一瞬だけ感謝した。

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