狂愛【完結】

東対西 /翠

side 翠


「・・・で?なんでチミはここに居るのかね?」

「・・・。」


目の前の龍綺様の女を見て思う。


(私が聞きたいくらいだ。)


今、西は荒れている。


東の一般人が西の組員を襲撃。


それぞれ賞金がかかり、特に龍綺様は危ない。


私の懸賞金が高い理由は分かっている。


あの忌々しい男のせいだ。


しかし龍綺様は、


「翠?君なら大丈夫やろ?後は僕がやるから、君は僕の真琴を警護しといで?」


そう言って目を細めた。



「・・・恐らく、私も守るおつもりなのです。」


店外へ目をやると、東の警護が。


ここは真琴様の職場。


あのシスコン兄貴が厳重に警備をつけるのを見越した上で私も守るおつもりなんだ。


私は・・・あなたのお側を離れるのはイヤなのに。


憂いに細めた目を伏せる。


顎に手を当てて何かを考えていた真琴様が、私に向かって微笑んだ。


「・・・じゃあ、帰んな?」


「・・・は?」


いきなりの帰還命令に開いた口が塞がらない。


真琴様は目を細めて私の頭を撫でる。


「お前、強いでしょ。だから私は龍綺を守って欲しい。
私は賞金はかかってないし、龍綺の女だってのも一部しか知らない。
なにより、私はゆいかが守ってくれてる。」


店外の警備を見て嬉しそうに目を細めた真琴様は、右のピアスに触れた。


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