狂愛【完結】

抗争 /柊組

いきなり行くと言った奏に慌てることなく、男たちはそれぞれ携帯を手に取り、それぞれの立場で手配する。


お兄ちゃんは白虎の召集を。


隼人は組の召集を。


鉄さんは護衛や、本家への連絡を。


そしてそれぞれのトップは、後ろの男たちを信じて、ただ堂々と前のみを見て進む。


蓮は『白虎』の総長として、その鷹のような目を細めて前を見据える。


いきなり姿を表した私たちに、大学の生徒たちは色めき立つ。


そして、大半の人間の目は、先頭を私と手を繋いで歩く、この男に注がれていた。


新城奏。新城組若頭の彼に。


奏が通るだけで、全ての人が声を出すことを忘れる。


そして、奏の全ての動きに刮目する。


初めからこうすれば良かった。


ギャラリーの目は、私たちの繋がれた手へ。


私は、【白虎の姫】じゃない。


私は、【奏のもの】


勘違いしないで。



奏と一緒にいることに対する罵声なら、甘んじて受けよう。


だってそれは、私が奏と一緒にいるから成り立つ、『存在の証』


私より彼を愛してる人なんていない。


これだけは断言できるから。


だから私は堂々と奏の隣を歩ける。


゛不釣り合い゛なんて承知の上。


それでも一緒に歩けるのは、この手から伝わってくる、私の獣の愛情のおかげ。


隣を歩く奏に微笑めば、返ってくる極上の笑み。


そして私の大切な人にこれからなっていく咲さんの為に。


私は前を向いて歩く。


さて、柊組へ。


・・・着物、着た方がいいのかな?


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