支配者【完】

神の正体 /雫の仕事

side 雫


「ご機嫌ですね。」

「まあな。」



講義中、玲は一切”他”を見ようとはしない。ただひたすら、玲に見つめられて講義を受けるのは、結構大変だったりする。


「あの、恥ずかしいんですけど。」

「…なぜだ?」


キョトン顔のこの人は、自分の見た目を気にしていないのかな?

こんな普通の、講堂なのに。生徒がみんな、玲を見てる。

教授だって頑張って講義を続けてはいるけれど、存在自体が気になってしょうがない様子。


これは、この場にこの世の神がいる。それだけが理由じゃ絶対にない。



神々しい、という言葉が似あうほどの玲の容姿は、ため息をつきそうなほど甘い。

いつもは近づきがたいオーラを放っているのに、常に鋭く尖らせている金色の目をトロンとさせて、なんだか可愛く見えてしまうから不思議。


そんな玲に、ひたすら見つめられている。


もうなんだか、心臓に悪い。


「講義を受けてください。」

「俺はお前を見に来たんだぞ。」

「……はぁ、」


憮然と反論するこの人は、どうやら主に地平さんを呆れ返らせたらしい。


少し後ろに座っている彼がとても大きなため息を吐いたから。


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