支配者【完】

神の正体 /神だった″もの″

side 雫



突然やってきたのは、神だった人。


「どういうことだ?」


その人は、玲と同じ白髪だけど、玲のように長めなものではなく、ぎりぎりまで刈っていて、印象としては少しワイルドな感じだった。


「どういうこと、とは?」


笑みを崩さない玲を前に、その人は表情豊かで。その金色の眼は、色々な感情を表している。


主に、”怒り”だけど。


「なぜ霧を選ばなかった?」

「っっ、」


不愉快そうにそう言ったのは、玲のお父さん。先代の神だった。



「……あ?」


低く、唸るような声を出した玲を余所に、玲のお父さんは嫌悪感いっぱい、という目で私を見ている。


「しかも欠陥品だったらしいじゃないか。霧ならば、全てが安泰だというのに。いっそ今少しくらい恥をかいたとしても、”取り替えてしまえ”。」


その言葉は酷い、というものではなく、ショックな言葉ではあるのに、その言葉の存在が大きすぎて、私の鈍い頭では処理しきれなかった。


呆然と目を見開く私から視線を外した玲のお父さんは、同意を求めるように背後に座っている女性を見た。


先ほどの玲と同じく、ずっと笑みを浮かべていたその人はきっと、玲のお母さんだろう。


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