支配者【完】

神で支配者 /裏の仕事

side 雫



部屋に入れば、真っ白な内装が目に入った。

壁も机も白で、椅子も白。唯一パソコンやペンなどの調度品は黒だった。

真っ白な空間は、白すぎるが故、めまいがする。だけどその真っ黒な物たちがなんとか、私の視界を定めてくれていた。



「はぁ、」


ため息を吐いた玲は私の手を引いて、デスクの前にある真っ白な3人掛けのソファーに座る。手を引かれるまま座れば、真っ白な室内は静寂に包まれた。



コンコン、



ドアを叩く音が聞こえるも、何かを考えている様子の玲は視線すら向けない。

元々、返事もしない人だから当たり前なんだけど…

考え込むあまり、ノックの音すら聞こえていないように見える。



「はい。」

「……桐生です。」


その返答に玲を見れば、どうやら聞こえていたみたいで、小さく頷いた。


「お入りください。」


そう言ってホッと息をつく。桐生先生に玲の手を消毒して貰わなくちゃいけないから。



扉が開けられ、桐生先生が入ってくる時、部屋の入り口前に座っている”背中”が見えた。


「蒼。」


そう呼べば、蒼の耳がぴくりと動く。

蒼の行動を待っているのか、扉を開けたままの桐生先生も蒼を見下ろしている。



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