支配者【完】

人 /革命

side 朝陽



毎日は、穏やかに進んだ。


サイトの運営者は蒼。願いを叶えるのは朱と白の仕事だ。サイトの代表者の名前が明かされていない今俺はまだ、行動すべきじゃない。


人がその存在を半信半疑に思っている今では、時期早々だからだ。


俺は、神となる人間。それでも、動くべきではない今の状況にイライラするばかりだ。


仲間が手を汚し動いているのに。


俺は霧の隣で、ぬくぬくと毎日を過ごしている。


「……眉間の皺が凄いわよ?」

「え?」


コーヒーを片手に霧とソファーに座る俺は、この場所の心地よさに忘れるべきではない感情を忘れてしまいそうになっている。


「私の見えるところで不機嫌になるのは止めてくれないかしら。不愉快だから。」


ツンとそっぽを向いてそう言った霧は、ソファーに座りなおしてブランケットを膝にかけた。


「なんだ、機嫌が悪いな?」

「……。」


俺を完全無視する霧は、どうやらへそを曲げてしまっているらしい。


「どうした?」

「……。」


何も言おうとしない霧は、自分のコーヒーを手に取るとそれを口に含んだ。ただコーヒーを飲む。そんな仕草ですらこの女からは独特の色気が香る。


情けなくもゴクリと喉を鳴らした俺は、誤魔化すように自分のコーヒーを飲んだ。


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