支配者【完】

この街 /変化

side 雫


人は、生きていく上で、数々の変化を経験する。

それは些細なことであったり、大きなことであったり……


時には、小さな変化がやがて、その人の人生すら変えることがある。



私の人生は今、大きな変化によって大きく動いてしまった。


それに比べれば、日常の変化なんてどうでもいいかもしれない。

だって私が京極玲様の妻になるなんて、少なくとも私を含め、私の周りの人間は誰1人、そう思わなかったんだから。


と、そんなことを言ってみても……


「どうした?」

「……。」



やっぱり、これは慣れそうにない。


「大丈夫か?」


私を心配そうにのぞき込んでくれる玲だけがはっきりと見える。


「はい。」


呟くようにそう言った私を見て、玲は目を細めて笑う。


ザワリ、


周りがざわめく中、玲に手を繋がれて足を踏み入れたのは、私が今休学している大学。


復学をしていいものかどうか悩んでいる内に、何故か今日、ここに連れて来られた。


きっと玲は、私の今の現状を分かっているのかもしれない。伺いすらたてず、ここに直接連れてくる辺りが玲らしくて、思わず苦笑いしてしまうけれど。


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