支配者【完】

さ迷う彼女 /雫の交友関係

side 雫



「嘘だろ?」


この間、玲と大学に行った時に門で会ったっきりの彼は、不機嫌そうにそう言った。


「え、と、何が?」

「だからっ、」


少し言葉を荒げた彼は、私から距離を取って座っている村上さんをチラリと見て、押し黙った。

不機嫌そうに口を堅く結んでいる彼の名前は、皇淳史(すめらぎあつし)名前だけでも凄そうな彼は、本当に”凄い”らしい。

家が会社を経営していて、所謂お金持ちな彼。大学生なのに社長も真っ青な高級時計をしていて、車もなんだか大きな高級車に乗ってる。

常におしゃれで、よく遊んでいるイメージなのに、大学の成績は悪くはない。意外ときっちりしてるんだなと思った覚えがある。


「お前みたいな奴が狗神の嫁なわけなくねえ?」

「……。」

こうやって彼は、普段から私をバカにしている。


”姉ちゃんと偉い違いだ。”

”見た目も中身も、落ちこぼれ。”

”愚図。”


なぜかそんなこと言うくせに、私の傍から離れない。

でもきっと、それには理由がある。そう確信していた。だって。


「お前の新しい家、神の家だろ?姉ちゃんに仕えることになったんだな。」

この人はきっと、お姉さまが好きなんだろう。


0
  • しおりをはさむ
  • 6480
  • 11183
/ 494ページ
このページを編集する