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奏とゆいか /蒼いクリスマス

side ゆいか


「行くぞ。」


そう言った奏は、その綺麗な唇を企むように歪め、私の手を強く引いた。


「どこに?」


ベッドから降りた私は、奏を見上げて首を傾げて。だけどそんな私を見た奏は、グッと息を呑むと突然、噛みつくようなキスをした。


「んっ、」


唇ごと食べられてしまって、舌先は執拗に私の口内を探る。胸を押して見ても、びくともしない。それはどうやら私の体が奏の舌の甘さに抵抗できないように"作り替えられて”しまったせいらしい。



こくりと飲んだ唾液に痺れ、目は自然と潤む。


脳は考えることをやめ、ただ舌先に感じる快感、そして時折乱暴に私をかき抱く奏の抱擁の強さに、もはやノックアウトされてしまう。


「んん、ん、」


それでも、どうしても抵抗することにチャレンジしてしまう。

なぜかって?


このままいけばどうせまた、背後のベッドになだれ込んで今日が終わってしまうから。



そんなことにはさせない。だってさっき、奏がどこかへ行こうとしていたのはきっと……



「そ、んんっ、そうっ、」

「……あ?」


今日が、クリスマスイブだから。



「は、ぁ、だから、」


聖なる夜なはずなのに。

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