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366日、彼らは笑う。 /3月4日 差し入れの日 壮士×広子×黒田



広「は?」


壮『ですから、差し入れをお持ちしますので。』


広「なんで?」


壮『残業で疲れている恋人の職場にケータリングくらいしないで、広子の男は務まらないでしょう?』


広「いやいやいや、あんたそんなキャラじゃないよね?」


壮『黒田と2人で残業なんてお疲れでしょうから。恋人をねぎらうのは彼氏の役目というものです。』


広「やっぱそれか!黒田課長ぐらいどうにでもなるからいいって、あ、切りやがった。」


黒「……全部聞こえてんだけど。俺の扱いひどすぎない?」


広「課長が悪いんですよ。あの男はこんなメンドクサイことするような男じゃないのに刺激したりするから。」


黒「だって、俺が三木を口説いてるのは本当だし。」


広「いやいやいや、諦めろや。」


黒「脅したって無駄だよ。恋心は誰にも止められない。」


広「壮士の脅しにちゃんと屈している人の言うことじゃないですよね。」


黒「……君の彼氏、ほんとに怖いよね。」


広「まぁ、やくざなんで。」


黒「そういうの、俺の前以外で言っちゃだめだよ。世間的にね。」


広「それで恥ずかしいと思うような恋愛はしてないんで、大きなお世話っす。」

黒「やっぱ男前だ。うん、最高。」


広「気持ちわるいですよ、課長。」

黒「……。」


壮「失礼いたします。差し入れをお持ちしました。」


広「……へ?もしかしてあんたが今襟首掴んでる、松井(まつい)さんが?」


壮「ええ。広子が自分の仕事じゃないのに残業を引き受ける羽目になった、家族が病気だと嘘をついた先輩の松井さんです。」


松「すっ、すみませんでした!」


黒「わー、素晴らしい差し入れ。」


広「黒田課長。笑いごとじゃないっすよ。松井さん、なら残業できますよね?」


松「ヒッ、わ、悪かった三木!ちゃんとやるから!」


広「……差し入れはいただいたんで、帰ります。壮士!」


壮「なんでしょう?」


広「行くよ。家で飲もう。」


壮「はい。では皆様、残業頑張ってくださいね。」


松「は、はい!」


黒「ははっ、今回も惨敗。」



広子様との大切な時間。汚されるわけには、いきません。




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