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366日、彼らは笑う。 /4月27日 つなぐ日 奏×ゆいか×秋





奏「この書類に目を通せ。」


秋「これは、組関係ですか?」


奏「いや、親として、のものだ。」


秋「……分かった。……これ?」


奏「お前らが相続するうちの財産だ。4人で適当に分けろ。」


秋「は?」


ゆ「もうっ、奏ったら説明が足りないわよ?」


奏「チッ、めんどくせえ。」


秋「母さん、どういうことだ?」



ゆ「まだ結構先のことなんだけど、」


奏「俺は今日からでもいい。」


ゆ「奏、黙ってて。ね?」


奏「チッ。」


ゆ「ふう。あのね、秋が正式に組を継いだら、母さんたちはここを出ようと思っているの。」


秋「そうなのか。じいちゃんみたいに海外とかか?」


ゆ「ううん。隣町のアパートに住むわ。」


秋「は?アパート?」


ゆ「そうなの。母さん、奏とシングルのお布団で寝たくなっちゃったの。奏がそれを叶えてくれるんですって。」


奏「アパートは全部買い取ってある。騒音対策もばっちりだ。」


秋「……隠居後の話だよな?」


ゆ「奏は放っておいていいわ。私たちはそこで、残りの人生をゆっくり過ごすことにしたの。だから……その書類は一種の終活ね。」


秋「縁起でもねえな。」


奏「ゆいかは天国に行くんだから間違いではねえだろ。」


ゆ「奏、下ネタはやめて。」

秋「マジでそれ。」


奏「チッ。2人揃って睨むなよ。」



ゆ「……とにかく、量が多いから、これからゆっくり、分けていきましょう。」


秋「そういうことか。まぁどうせ、あいつらはこんなん気にしねえからな。よし。春にやらせるわ。」


ゆ「……秋、面倒なのね。」


奏「すぐめんどくさがるとこ、誰に似たんだ?」


ゆ「……。」



老後も、お元気な両親。



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