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366日、彼らは笑う。 /6月第1日曜日 プロポーズの日 玲×雫




玲「……雫。」


雫「はい。」


玲「その、なんだ、」


雫「どうしました?玲がそんなに口ごもるなんて、珍しいですね。」


玲「ああ、実は、聞きたいことがあったんだ。」


雫「なんでしょう。」


玲「この間、その、プロポーズについての話を聞いたんだが、」


雫「え?誰にですか?」


玲「……地平だ。」


雫「地平さんのプロポーズの話を聞いた、ということでしょうか。」


玲「まぁ、そのようなもんだ。」


雫「はぁ、それで、どうしました?」


玲「お前は俺に、プロポーズされたかったのかなと、ふと思ったんだ。」


雫「え?……ふふっ、」



玲「何がおかしい。」


雫「だって、玲はちゃんとプロポーズしてくれましたよ。」


玲「そんなはずはない。俺はお前に、命令を強制してばかりだった。」


雫「そんなことはありません。私はちゃんと、玲が言ったのを聞きましたよ。」


玲「……俺はなにも言っていない。」


雫「言いました。私を選ぶと。」


玲「っっ、それは、」


雫「言ったんです。当主が言うべき言葉であったとしても、玲が私を選んでくれた、大切な言葉です。」


玲「……。」


雫「どうしても不満なら、今聞きますよ。玲の言葉ならいつでも歓迎です。」


玲「……。」



神をも黙らせるのは、大切な、大切な番(つがい)。





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