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366日、彼らは笑う。 /8月1日 カフェオーレの日 雀×冬陽

side 冬陽



「ん。」

「あ、りがと。」

「ん。」




日を追うごとに寒さが増していく。そしてこの別荘付近は山深いせいか、雪も積もってまさに真冬ど真ん中だ。


庭に出て何をするでもなくグルグル歩いていたら、いつの間にか時間が経っていて。


雀に見つかって今、強制的に室内に連行されたというわけだった。


雀が差し出したのは、ミルク多めのカフェオーレ。飲めばミルクの甘味に交じって、若干の苦みが口内に広がる。


「美味しい。」


笑ってみても雀の不機嫌顔は崩れてはくれないらしい。なんとなく気まずくて目を逸らせば、盛大な溜息がこれ見よがしに聞こえた。


「今冬だよな?」

「まぁ、うん。」



雀は私の好みをちゃんと分かってくれている。カフェオーレは大好き。だけど私は、甘みの強すぎるのは嫌いだ。


そして雀はそれを考えて、甘さ控えめで少し熱めにしてくれている。



「で、何時間いたわけ?外に。」

「……さぁ。」



カップも大きめなのがこれまたポイントが高い。だって尋問される時に顔を隠しやすいから。


「風邪ひいたらどうするんだ?」

「それは、困るねぇ。」

「あ?」


私を睨みつけてくる雀はさっき、庭にいる私を強引に抱き上げて部屋に回収してくれた。






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