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366日、彼らは笑う。 /8月4日 吊り橋の日 春×華

side 春



これまで念入りに準備を重ねてきた。今日は一大プロジェクト実行日だ。



「お待たせしましたー。」



華が額の汗を拭って大きなため息をつく。朝からこの達成感に包まれた表情。さすが……


「弁当、全部収まった?」

「はい!なんとか。」


華も楽しみにしていてくれたのか、弁当に入れるおかずのことで最近悩んでいたらしかった。


最終的には入れたいおかずが多すぎてどれを失くすか、なんてしょうもない理由で胃に穴が開くんじゃないかって程悩んでいた。


ちょっと可愛すぎない?



今も見なよ。満足そうな笑顔。


弁当1つで悩んで、笑って、苦しんで。ほんと、華の食に関するこだわりは、俺が嫉妬してしまうほどだ。



「じゃ、行こっか。」

「うん。」


少し砕けた返事。華が俺に打ち解けてきた証拠だ。こんなにも一緒にいて深く繋がってもいるのに、華の敬語は一向に無くなる気配を見せない。


寂しいと思う反面、こうしてなくなった時にドキリとする良さも味わっている。


どっちがいいかなんて決められない。敬語が取れないことを不満には思う。だけどこういうのも良い。


まぁどっちにしろ、華がやたら可愛い。そういうことだ。



車を走らせ、3時間。到着した目的の場所は人気のデートスポットだ。




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