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366日、彼らは笑う。 /8月8日 パパの日 奏×ゆいか

side ゆいか




秋が生まれて3か月が経った。段々体も大きくなってきて、自己主張もはっきりしてくる。

毎夜の夜泣きは、もはや日課と化していて、眠気と戦う毎日。



私は元々、あまり寝なくても平気な方だけれど、自分の好きな時間に寝れることと、そうでない場合は全然違う。


いつも一緒に寝ている奏もきっと起こされているのに。違うベッドで寝てと言った私のお願いにはへそを曲げられてしまった。



「ふう。」


少しだけ寝不足。だからさっぱりするために、奏に秋を見て貰ってシャワーを浴びた。

タオルで頭を拭きながら、寝室の前に立つけど。おかしいな。あれだけ凄かった泣き声が一切しない。



そっとドアを開ければ、奏が一人掛けのソファーに座って腕の中の秋を見下ろしている。


秋はというと、静かに寝息をたてていて。それを見つめる奏の表情は、とても素敵だった。


思わず魅入ってしまうほど、穏やかな表情。奏もパパになったんだな。そう思った。


「大丈夫か?」

「え?あ、うん。」



お互い、秋を起こすわけにはいかなくて小声で話す。部屋のドアを開けた時からとっくに気付いていたらしい奏は、私を見てクスリと笑った。


「髪、拭けてないぞ。」


ご指摘の通り、髪から水滴がぽたぽた落ちている。


「ありがと、お父さん。」

「誰がお父さんだ。」


今感じている願望を悟られないようにおどけてみせれば、奏は嫌そうに顔を顰めた。



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