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366日、彼らは笑う。 /8月10日 道の日 芽依×理人

side 芽依




久しぶりの休日。成人してからはお互いに休みが合わなかった私たちは、買い物で街へと繰り出していた。


モリは今眠っている。せっかくの休日に起こされたくない、なんてモリらしいドライな理由で。



「久しぶりにまったりするな。」

「そうだねー。」


散々ウインドーショッピングで歩き回った後、休憩と昼食がてらカフェに入った。


テラス席に通されて街並みを眺めながらのサンドイッチは、格別。


どうしてだろう。仕事の疲れと遊びの疲れは全然違う。こうして理人と笑い合っているだけで楽しいんだから不思議。


不意に、道路を挟んで向かい側の道へと視線を移した。


「っっ、」


楽しい休日の風景。その2人はとても楽しそうに、子供服専門店のウインドーを見ている。


女性の方が服を指さした。それを見た男性は頷いて、女性に手を差し出す。


手を繋いで店内に入ろうとする2人。女性の体が少し傾いて、ようやく視界に入ったのは……


「何見てんだ?」

「え?」



不思議そうな理人の声に我に返って、理人を見たけれど、どうしても気になってまた、視線を戻した。


だけど、2人は店内に入ってしまったのか、もういない。



「ううん。なんでもない。勘違いだったみたい。」

「そか。」

「ん。」


特に訝しむ様子もなく、理人はコーヒーを一口飲んだ。





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