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366日、彼らは笑う。 /10月1日 香水の日 夏流×朔真

side 朔真



目が覚めると、目の前に女の背中。規則正しく揺れるその美しい素肌には、自分が付けた執着の華が咲く。


どうやら俺は、夏流の背中を抱いて寝ていたらしい。かっこよくこいつをこの腕で包んでいたのならまだいいが、どうやら顔を背中にはっ付けて、だ。


気付いた途端、顔中に熱が集まってくる。


不意に、夏流の長い黒髪が目に入った。本人が寝ているというのに首筋から流れるように落ちているそれは、朝の日を浴びてキラキラと輝いているように見えた。



思わず、触りたくなる。腕で頭を支え、もう一方の手でそれを試みる。


慎重に。こいつは妙に鋭いからな。あからさまに触ると起きてしまう。



昨日は全然寝かせてやれなかった。だからもう少しだけ、寝坊をさせてやりてえ。



……いや、寝かせてもらえなかったのは俺の方なんだが。



髪に指を通せば、引っ掛かることもなくそれはあっさりと終点まで行きつく。ゆいかさんもそうだが、髪、綺麗だよな。

髪を梳かなくていいとか、世の女が聞いたら羨ましくて仕方がないだろう。

まぁ多少は、こいつもゆいかさんも気を配ってる感はあんだけどな。


……恐らくあれは、"平均値"じゃねえな。


クスリと笑みを零し、感じた眠気に身を任せ、瞼を閉じた。




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