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366日、彼らは笑う。 /11月22日 小雪 郁×いろは

side 郁




「はぁ。」



いろはを夢中で貪る内、外は暗やみまた、明るくなっていった。


朝の明るさでようやく見えるいろはの吐息は白く、部屋の寒さを表した。


「寒い?」


「ううん。」


見下ろす僕の腰に手を当てたいろはは、もっと動けとばかりにその手に力を入れる。


腰から伝染するように、ゾクリ、ゾクリと快感が駆け巡る。いろはは疲れを見せることもなく、そしてこの行為を嫌がるわけでもなく、ただ貪欲に僕を求めていた。


「んんっ。」



言われるままに腰を深く沈めれば、いろはの甘い声が漏れる。露わになった肩を見ればとても寒そうで。吐かれた白い息を口でふさいで吸い込んだ。


「んんっ、ん。」



吸い込んだ寒さは口内の熱に溶かされ、僕たちの体は熱く、深く繋がる。




「はぁ。」



いろはを抱きしめ果てた僕の背中を、いろはが優しく抱きしめる。女神のような抱擁とは裏腹に、いろはの指先は淫魔のように背中をかいて僕を誘っている。



「もう、冬だね。」



僕の腕を枕にして、少し背伸びをしたいろはに耳元で呟かれたその言葉はどこか寂しそうで。僕もつられるように、寂しくなった。



「郁。寂しそう。大丈夫?」

「さぁ。いろはが寂しそうだからかな。」

「だって、なんか冬って、寂しい感じがするから。」



イメージだろうか。雪に囲まれたこの季節は、音すらも寒さが吸い込んでしまったかのように静かだ。




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