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366日、彼らは笑う。 /11月26日 いい風呂の日 奏×ゆいか

side ゆいか





「ゆいか。」

「はいはい。」


「早くしろ。」

「ちょっと待ってくださいね。」


「……おい。」

「ふふ。」




子供も大きくなってきて、2人で過ごす時間が減ってくるのかな?なんて心配をしていた。

鉄さんが買ってきてくれる育児雑誌やテレビではよく、子育て中は夫をほったらかしてしまう、なんて言われているし。


子供に手がかかっている間や、奥さんの妊娠中の浮気なんてよくあることらしい。


奏が浮気なんて間違いなくないと思うけど、私だって奏にほったらかしにされたら拗ねてしまうかもしれない。



秋は12歳。春は9歳になって夏流は6歳、そして、冬夜は、3歳。毎日てんてこまい。やんちゃばかりが揃って困っているけど、同時にとても幸せ。




そして。


「遅い。」

「まだ、帯もほどいてないのに。」


濡れた髪から雫をたらしながら、浴室から顔をのぞかせるこの人も、子供たちと同じく手のかかる人だ。



私がそう言うと、奏はにやりと口角を上げた。



「手伝ってやろうか?」

「……目が、ちょっと。だからいい。」

「チッ。」



奏って、こういうの好きよね。着物を脱がせるのがそんなに面白いのかな?



「早くしろ。」

「ふふ、分かったから。」

「ん。」



奏の催促に、心が躍る。すぐに浴室に戻ってしまったのが寂しいと感じてしまうくらい、私だって奏が恋しい。



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