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366日、彼らは笑う。 /12月31日 大晦日 奏×ゆいか

side ゆいか



今年も今日で終わり。それも数時間後。




毎日が濃くて、楽しくて、発見ばかりだった。


そして改めて思い知らされるのは……。



---やっぱり私って、独りだったんだなということ。



独りでいることに慣れていたはず。傷つくことにも、慣れていた。



それなのに奏と一緒にいると、自分が気づかないようにしていた感情が溢れてくる。



「…ク、ん。」



今もほら、涙が止まらない。



奏の家のベランダで、夜景を眺めながら泣くなんて、誰かに見られれば不幸に酔ってるんじゃないかとか言われそうだけど。



さっきまでいた本家での宴会を思い出すと、自分がそこにいること自体おかしいんじゃないかと思うようになって。



心の底から楽しめない自分がいた。そんな自分が嫌い。



過去のことは、今には関係ないのに、悲劇のヒロインみたいにいつまでも気にしている自分が。自分の、弱さが嫌い。



「……ふ。」



何度も拭うのに、涙は止まってくれない。だめ、早く止めないと。


「泣くなら俺の前でにしろ。」



ほら、奏が気づいてしまうから。



「奏。」


「さみいのにこんなとこ来やがって。」


私を後ろから包み込む奏が頬を撫でて、そこから不思議と熱が広がる。



「ごめん。」


「別に泣くなとは言ってねえだろ。」


「え?」




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