乙女党企画 

 2014/04/04/FRI 






 遠くから高い電子音が聞こえてくる。



 携帯電話の着信だ。
 そう意識した途端、猛烈な眠気を感じる。


 手探りでナイトテーブルにある携帯電話を掴んだ。
 ディスプレイすら確認せずに、通話ボタンを押す。



「ふぇーい……空木れす」

 もぞもぞと布団から這い出ようとして、失敗する。

 腹にがっちりと手が組まれていた。
 長くて固い指を、ぼんやりとした頭で一本一本ひき離そうと試みていると、嘲笑まじりの声が聞こえてくる。



《相変わらず、間抜けた声だな。宵(よい)坊》


 一気に意識が覚醒する。


「穂積さんッ! 私の名前は、空木 宵子(うつぎ しょうこ)ですッ!」

 反射的に叫ぶものの、向こうも反射的に潰しにかかる。


《俺にしてみりゃ、坊やで充分だ。もう少し色気がついたら名前で呼んでやるよ》


 どんな理屈なのやら。
 刑事に色気は必要ないと思うけど。


 諦めよう。
 指導係兼相棒が穂積さんだった時点で、何かが終わっているのだ。



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