乙女党企画 

 2014/04/10/THU 








 帝都大学の敷地内をうろうろと歩く。

「どこにいんのかしら……?」

 午前中に解剖した遺体の検案書を受け取りに来たのに、研究室に雨宮の姿がない。

 ゼミの学生によると、『ちょっと風に当たってくる』と言ったきり小一時間も戻ってこないらしい。


 彼らは探す気など毛頭ないらしく、心当たりすら考えないで自分たちの研究に没頭していた。

 今さらながらに、雨宮が講師としての職務を全うする気があるのか甚だ疑問だ。
 お世辞にも、教え子たちに信頼されているようには見えない。


 仕方がないので、大学の敷地内をしらみ潰しに探し歩く。

 あのインドア派のことだ。近場で昼寝でもしているに違いない。

 ついでに、夕ご飯のリクエストでも訊いてやろう。
 作ってやるかは、その時の気分次第だが。


 医学部の実験棟付近をきょろきょろと見渡すと、案の定────




 いた。
 グラウンド近くのベンチに、寝ぐせだらけの頭が見えた。



「探したわよ。何してんの」

 近寄って声をかけても、振り向きもしない。

 それどころか、



「しばらく動けない」

「はぁ?」



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