乙女党企画 

 2014/03/27/THU 






 くしゅんっとひとつ、くしゃみをこぼす。



 風邪かな。
 キッチンで洗い物をしてる最中、ずずっと鼻をすする。



 その瞬間、カウンター越しに雨宮と目が合った。
 コーヒーカップを片手に、「まずい」みたいな顔をする。



「……僕にうつさないでくれよ」



 おぉい。よりにもよって、言うことそれかよ。



 水道の蛇口をひねって水を止める。手を拭きながら、ずかずかと歩み寄った。

「ちょっとぉ。他に言うことないわけ?」

「お大事に」

「めちゃくちゃ空々しいな。おい」



 何故だろう。
 ヤツが口にすると労りの言葉も、ただの嫌味にしか聞こえない。


「ご愁傷さま」

「次は、オブラートにも包まないんかい。切り替え早すぎ」



 眉を盛大につり上げて威嚇し、鼻を鳴らす。

「まぁ……今さら、あんたに心配してとは言わないわよ」

「じゃあ、何て言えばよかったんだ」

「診察してよ。風邪か、そうでないかくらい、わかるでしょ?」

 脈でも測れとばかりに手を差し出せば、にべもなく切り捨てられた。



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