菓子部◎おまけ追加

その3 /葵先輩と凛先輩



***





後は僕がなんとかするから。

そう言って、部長はお父さん…黒須社長の元へと向かった。


部長はどうやらお父さんに対して苦手意識が強いみたいだったけど、でも、彼が呼べばすぐに時間を作ってくれるなんて…優しい通り越して親バカだと思うんだが。



「なんか、待ってるだけってキツイですね…」



ホテルのロビーで3人、ただ部長の帰りを待つことしかできない現状に耐えられなかったのか、蒼汰くんが小さく呟いた。


ーー今日ほど、家柄の差を感じた日も無い。

どんなに気持ちが強くても、家柄が無ければ動くことすら許されない…そういう世界なのだと。


葵先輩が待ってるのに、部長が戦ってるのに、一般人の私達はここで待つことしかできない。



「…今回の件、結局、何も出来なかった…」



膝の上でぐっと拳を握ると、そんな私の頭を凛先輩がそっと撫でる。



「ここまで乗り込んで来ておいて、何もしてないってことは無いだろう」



揶揄うように言ったかと思うと、彼は珍しく微笑んだ。



「少なくとも、俺は助けてもらった」


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