菓子部◎おまけ追加

その2 /新入部員



***





次の日の放課後。

私が開くのは、やっぱり菓子部の部室の扉だった。


静かに開いた扉の向こう、そこにはいつも通り机に伏す部長がいる。

よくもまあ、そう毎日毎日すやすやと眠れるものだ。



「…人の気も知らずに」



まるで私との喧嘩なんて大したことじゃないとでも言うかのような穏やかな寝顔に最早腹が立つ。

なんだって、私ばっかりこんなにもやもやしなくちゃならない…。



「ん…」



イライラしたから軽くその髪を引っ張ってやると、彼は小さく声を漏らして酷く気怠げに瞼を持ち上げる。



「…陽ちゃん…」



薄っすらと開いた目に私を映して…彼は寝起きの掠れた声で私の名前を紡いだ。


昨日までは私と目も合わせなかったくせに、正面から私を見据えてみせて。

目を擦っていたからまだ寝惚けているのだろうと思っていたけど…真っ直ぐに見つめた先の彼は、思い掛けず真剣な表情をしていた。


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