青に焦がれる







彼は、真っ黒な服に身を包んで、ゆったりと青い煙を吸っていた。



「ねえ、どうしてたばこの煙って青いの?」


「…お前は、空がどうして青いのか知ってる?」


「ううん」


「だろうね。お前には難しい話だよ」



頭を撫でてわたしをいなす彼にむっとしてみせると、彼は困ったように、今度は白い煙を吐き出して、そのくちびるでわたしのそれを塞いだ。



「…ねえ、パパ」



彼からいつもただよう、ほんのすこしだけあまい煙のにおいに、身を染めた。



「ママが死んじゃって、さびしい?」


「…お前、やっぱり、俺の子だなあ」


  • しおりをはさむ
  • 6
  • 565
/ 14ページ
このページを編集する