淡紅の月と華

第9章 /Saya’s Story

両親の事故が、不慮のものなんて私は思っていなかった





父は暴力団との縁を切るために尽力した






けれど、親戚の中でも、父の会社の幹部となっていた叔父がこのことをよく思ってないのは事実だった







叔父が、岩田組と関係があると知ったのは、両親が亡くなってからのこと








本当に偶然、叔父と岩田組の人間が会ってるところを目撃してしまった







事件性が高いと、当初言われていたが、すぐに事故に切り替えられた







父は運転がうまかったから、母を乗せての単独事故を起こすなんて私には考えられなかった







不透明な警察からの説明







全てが腑に落ちた







叔父が男と会っているところを目撃したあと、それまで私はどこかで見たことある顔程度にしか思っていなかったのだが、たまたま父の部屋から出てきた日記の中にその男の写真があった









そしてその写真の裏にあった4桁の番号







父から、事故の起こる1週間ほど前、何かあった時に役に立つと言われて渡されたタブレット端末








パスコードがわからないと言ったら、わかる時が来る。必ずいつか来る。










そう言われた










震える手でその番号を打ち込んだ








出てきたのは、父からの遺言ともとれるメッセージと、岩田と叔父の関係をまとめたデータだった








その時私は決意した








必ず、復讐してやると









本当は全ての遺産を受け継げば、社会人になるまで1人で生きていけた








でもわざとそれを餌にして









親戚達の家をたらい回しになった








情報を得たかった








1番よく面倒を見てくれていた叔母はそれを受け取ることなく、私にお金を返してくれた







罪悪感が少し胸をよぎったが、私はそのお金を持って上京した








親戚からは酷い待遇を受けたものだが、そんなものはどうだって良かった








全ては復讐のためだった










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