淡紅の月と華

ったく…





俺は携帯を取り出し、とりあえず沙耶に電話をする





すると近くでスマホが鳴り響く音がする






見れば、そこには沙耶のスマホ






「…チッ」






俺は電話を切り、次のところに電話をかける






そう、親父のところ







組のやつらを動かそう







『…はい』








「悪い、朝早くから…沙耶が消えた。組のやつらを使う」







『…それはダメだ』







「は?沙耶が消えたって言ったろ」







『だからダメだと言ってる』






ついに頭とち狂ったか、このバカ親父







「だから沙耶が消えたんだ…」









『だから、組の人間を使うのがダメだと言っている。自分の手で探せ』








そういうや否やブツっと切られた







この様子だと、親父の命令で組員たちも俺の指示じゃ動かねえだろう








くそが…







次に俺は、チームのやつに電話をかけた








チームのナンバーツーである祐也







『お、お疲れ様です!朝早いっすね…』







俺の電話にすぐに出てくれてるが、焦ってるのか息が上がっているようにも聞こえる







「悪いな、沙耶が消えたからチームの人間を動かす」







『えっ!いやっ…そのっ…す、すいません、それは無理っす…』







「あ?」







『いや、その…きょ、今日は悠さんの命令を聞いてはいけないっていう日なんす!!!失礼します!』








これまた強引に切られた







いつもだったら許さねえところだが…







どうなってる?







親父だけならまだしも、チームの奴らまで使えねえなんて…







もう一度、手紙を読む







怪盗…ムーン?







ムーン…








ムーンって月のことだよな…








…まさか







俺は、とあるところは電話をかけた









数回コール音がなったのちに、聞こえたのは







『やあ!よくぞ気がついたね!!!』






という愉快な機械音







「てめえ…何してやがる」








『何ってこれはゲームさ!愉快な愉快なゲーム!』








「沙耶はどこだ」







『安心したまえ、姫は安全な場所にいるよ!!もしかしたら君の隣よりも安全かもね!』








「…」








『おやおや、何も聞こえないねえ?どうしたんだい??』









「てめえ…郁人…あとで覚えておけよ…」









俺が低い声で威嚇をすると、電話の向こうからゴクリと生唾を飲む音が聞こえた








焦ってる表情が眼に浮かぶ








ムーンは和訳すれば月だ







そして郁人の名前








これをローマ字表記にすると I KU TO になる






逆から読めば






O TU KI







名前に月(TU KI)が隠れているし、Oの部分も月の丸とすれば、郁人だというのがわかる







安直すぎる気もしたが、正解だったようだ








『と、とりあえず1つ目のミッションだ。下界の更に下、そこに現れる2つの御霊。これを倒すことだな!』










そう言い残すと電話は切れた











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