淡紅の月と華

第10章 /Saya’s Story

***




大浴場に逃げてきたはいいものの…





「…やっちゃったな……」





本当はサプライズとかも考えて、さっきのあれはほんの冗談のつもりだったのに…





できることなら大浴場から出たくない





いつまでも大きなお風呂でのびのびと浸かっていたい





けどさっきも脱衣所で服を脱いでいたら、悠さんから終わる頃に迎えにいくというライン






私がわざと置いてきた指輪とか携帯もしっかり預けられたし






お母さんにサプライズのことを相談したら、必ず携帯と指輪は置いて行きなさいよと言われなんのことかわからなかったけど







発信機がまさかついてるとは思いもよらなかった







別に私自身もうやましいことも何もないので問題ないんだけど







まあこうなると私は是が非でもお風呂から出たくなくなる






「…はあ…」







でもいつまでも入っていればそれはそれで悠さんの機嫌を損ねそうだし、私もいつまでも入っていたら逆上せてしまう







意を決して私はお風呂を出た







というか、ただ彼氏と楽しい旅行に来ていて、なぜこんな憂鬱になるというか、気合いを入れてるんだろう







普通気合いを入れるのって多分、いつもよりちょっと可愛い下着を着る!とか、なんかそんな感じだろうけど







どうやって逃げるか、とかそういうのしか考えていない







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