淡紅の月と華

第4章 /Saya’s Story

片時もお前と離れたくない。





そう言われた私は、私を安心させるためのものだと、そう思っていたけど、違った







言葉通りだった





びっくりするくらい私から離れようとしないし、なんなら離れようとするだけで引き戻される









「雲隠れの女だからな」








いやもう、それ何度言われたところで、私はそんな異名知らないし、そんなミステリアスな女になろうとしたわけでもない









ただ私を離そうとしてくれないから








私はそれに安心してしまった







不意に携帯が震える








私のスマホに通知が表示された









ロック画面は愛しのアンティルのゆうたくん









「…誰?」








通知のその相手を聞かれたのか?







「…あっ、お天気情報の更新だね」











「ちげえ。その男」










「男…ってゆうたさん??」








そう言って画面を見せた









「…誰」










「私の大好きなバンドのベーシスト!ちょーーーーーーかっこいいんだよ!!!!」










「へえ…」








てっきり、ゆうたさんに興味を持ってくれたと勘違いした私は、ゆうたさんの話を始めた









私が本当に生きていられたのは、アンティルのおかげといっても過言ではない








彼らの音楽に辛い時期に何度も助けてもらって、苦しい時に何度も支えてもらった








ペラペラと話していると






「…でも今は俺がいるよな?」








「へ?」









ゆるゆると服の中に侵入してくる手を拒めず、抜け出そうと必死に体をよじる









ゆうたさんの話をしまくっていたせいで、黒いオーラに気がつかなかった








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